タイトルがわりと硬派なので、内容もそういうものを期待していたのだが、ちょっと違っていた。著者はアメリカの女性ライターで、臨床心理士でもあり、そして、自ら精神科での入院治療歴もある。
10種の心理学実験が取り上げられているが、実験そのものよりも、実験が巻き起こした社会的騒動や、その実験を行った研究者の考えかたや生きかたについての記述が豊富で興味深い。
以下、各章のタイトルを記す。
1.スキナー箱を開けて 【スキナーのオペラント条件づけ実験】
2.権威への服従 【ミルグラムの電気ショック実験】
3.患者のふりして病院へ 【ローゼンハンの精神医学診断実験】
4.冷淡な傍観者 【ダーリーとラタネの緊急事態介入実験】
5.理由を求める心 【フェスティンガーの認知的不協和実験】
6.針金の母親を愛せるか 【ハーローのサルの愛情実験】
7.ネズミの楽園 【アレクザンダーの依存症実験】
8.思い出された嘘 【ロフタスの偽記憶実験】
9.記憶を保持する脳神経 【カンデルの神経強化実験】
10.脳にメスを入れる 【モニスの実験的ロボトミー】
情緒的、感傷的な文章がちょっと鼻につくけれど、全体的には面白い良書であった。
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