2019年4月22日

陳腐なタイトルと品のない表紙だからって読まないのはもったいない!! 『残酷すぎる成功法則』


陳腐なタイトル。
品のない表紙。

読書慣れした人なら、もうこれだけで読む気が失せるのではなかろうか。

ところが、である。

本書は中身が非常に素晴らしいのだ。
タイトルと表紙にだまされてスルーするのはもったいない!!

特に印象的かつ今後の役に立てたいのは、幸福の測定基準という考えかた。人が幸福だと感じるには、次の四つが必須要素であるとのこと。
  1.  幸福感 人生から喜びと満足感を得ていること
  2.  達成感 何らかの業績でほかに抜きんでていること
  3.  存在意義 身近な人びとに、ポジティブな影響を及ぼしていること
  4.  育成 自分の価値観や業績によって、誰かの未来の成功を助けていること
これらを「ビッグ・フォー」(幸福の四要素)と呼ぶ。そして、ビッグ・フォーにつながる行動が、それぞれ以下の4つだ。
  1. 幸福感=楽しむ
  2. 達成感=目標を達成する
  3. 存在意義=他者の役に立つ
  4. 育成=伝える
この4つをバランスよく達成することが理想である。ただ、4つすべてがゼロからのスタートというわけではなく、現時点で努力せずともある程度は達成している要素があるだろう。1が自然にできている人は、2、3、4を、2ができている人は1、3、4を、という具合に、幸福度を高めるためにこれから力を入れていくべきところが人によって違ってくる。

また、名著『選択の科学』でも取りあげられていた話題ではあるが、選択について本書から引用する。
私たちは選択権を持つことが好きだ。しかし選択をすることは嫌いだ。選択肢があることは、可能性を意味するが、選択することは、その可能性を失うことを意味する。そして選択肢が多いほど、後悔する機会も増えることになる。
それから、毎日の習慣としたいのが一日の終わりかた。
配偶者との口論にしろ、ハリウッド映画のラストシーンにしろ、肝心なのはその終わり方だ。ということで、少々時間を割いても、一日を良い気分で終えよう。職場を出る直前の状況は、自分の仕事に対するあなたの気持ちに大きく響くからだ。
明日やるべきことを書きとめると、脳が落ち着き、リラックスできるという。神経科学者のダニエル・J・レビティンは次のように説明する。あなたが何かを気にかけていると、それを忘れてしまうことを灰白質が恐れ、「リハーサルループ」と呼ばれる脳の一群の領域を活動させる。するとあなたは延々と気にし続ける。終業前に考えを書きとめ、明日の計画を練っておくことで、こうした脳活動のスイッチを切ることができる。

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