陳腐なタイトル。
品のない表紙。
読書慣れした人なら、もうこれだけで読む気が失せるのではなかろうか。
ところが、である。
本書は中身が非常に素晴らしいのだ。
タイトルと表紙にだまされてスルーするのはもったいない!!
特に印象的かつ今後の役に立てたいのは、幸福の測定基準という考えかた。人が幸福だと感じるには、次の四つが必須要素であるとのこと。
- 幸福感 人生から喜びと満足感を得ていること
- 達成感 何らかの業績でほかに抜きんでていること
- 存在意義 身近な人びとに、ポジティブな影響を及ぼしていること
- 育成 自分の価値観や業績によって、誰かの未来の成功を助けていること
- 幸福感=楽しむ
- 達成感=目標を達成する
- 存在意義=他者の役に立つ
- 育成=伝える
また、名著『選択の科学』でも取りあげられていた話題ではあるが、選択について本書から引用する。
私たちは選択権を持つことが好きだ。しかし選択をすることは嫌いだ。選択肢があることは、可能性を意味するが、選択することは、その可能性を失うことを意味する。そして選択肢が多いほど、後悔する機会も増えることになる。それから、毎日の習慣としたいのが一日の終わりかた。
配偶者との口論にしろ、ハリウッド映画のラストシーンにしろ、肝心なのはその終わり方だ。ということで、少々時間を割いても、一日を良い気分で終えよう。職場を出る直前の状況は、自分の仕事に対するあなたの気持ちに大きく響くからだ。
明日やるべきことを書きとめると、脳が落ち着き、リラックスできるという。神経科学者のダニエル・J・レビティンは次のように説明する。あなたが何かを気にかけていると、それを忘れてしまうことを灰白質が恐れ、「リハーサルループ」と呼ばれる脳の一群の領域を活動させる。するとあなたは延々と気にし続ける。終業前に考えを書きとめ、明日の計画を練っておくことで、こうした脳活動のスイッチを切ることができる。
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