2019年10月21日

仕事にも子育てにも活かせそうな「伝えかた」の本 『人を動かす伝え方 動きたくなる56の伝え方』


中谷彰宏の本は、シンプル、読みやすくて分かりやすい、そして「行動に移しやすい」。

本書も従来通りの良書。

「丁寧すぎると伝わらない。詳しすぎる道案内は、かえってわからなくなります」というのは、日々の診療でも感じることで、大いに同感。例として出されているのが、道案内のとき目印にローソンがある場合。案内は、

「ローソンの角を曲がる」

だけで良い。

「ファミマでは曲がっちゃダメ」

は言わない。ところが、親切な人ほど説明が丁寧になり、余計な情報(「ファミマ」)が入り込み、間違う原因になってしまう。

それから、本当に伝えようと思ったら、少し乱暴な言葉を用いるというのも頷けた。
「逃げてください」ではなく、「逃げろ」。
さらに言えば、逃げている人が「逃げろ」と言うのが一番伝わる。
震災や飛行機事故などの緊急事態では「逃げろ」「荷物を持つな」という命令形が必要かつ効果的であることは、もっと周知していきたい。

また、「伝えるためには、言いきること」。具体例として、「七人の侍」は強そうだが、「七、八人の侍」になると弱そう、という面白い例が出してあり、こういうところがさすがだなぁと感心する。

本の表紙にあるように、「早くしなさい」より「タッタカ・タッタカ」といったオノマトペを使うほうが効果的というのは、仕事だけでなく子育てでも活きそうだ。というか、本書全体が子育てにも活かせそうな内容盛りだくさんであった。

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