2011年12月13日

タバコと肺がんは無関係!?

最近テレビで活躍中の武田邦彦教授。
歯切れのいいコメントは聞いていて気持ちいい。しかし、武田教授、最近ちょっと飛ばし過ぎじゃないか?
というのも、教授、「タバコと肺がんはほぼ無関係」と言い切ったのだ。その根拠が、この40年間で、男性の喫煙が8割から4割へと半減し、女性は2割弱で変化がないにもかかわらず、男性は7倍に、女性は数倍に肺がんが増え、男女合わせれば5倍以上に増えているからというもの。これは暴論どころか、数字だけをみて結論を出した短絡的でナンセンスな考え。ウケ狙いの発言としか思えない。

交通事故の死亡者数と車の関係を例にとってみる。
1970年、交通事故死亡者数の第一次のピークがあるが、当時の車の保有台数は二輪車含めて1652万8521台。交通事故死亡者数は1万6765人である。2010年はどうかというと、車の保有台数は7869万3495台。車の台数が1970年のおよそ5倍弱であるのに対して、交通事故死亡者数は4914人で、1970年の3分の1以下だ。これを純粋に、というか単純に、というか、バカみたいにというか、ただボーっと数字だけ見て、
「車と交通事故は関係ない」
なんて言ったら笑われるにちがいない。

ズバズバものを言うところが好きだった武田教授だが、これでは単なるキワモノ的な存在に成り下がってしまって、彼の発言全体の信憑性さえも疑われてしまいそうで残念だ。

<追記>
1970年にはまだCTが普及していないから、今より肺がんの発見が困難だったはずだ。また、病院受診者数もコンビニ化した今より圧倒的に少なかっただろうし、今ほど、がんの早期発見教育がなされていないだろうから、がんの「発見数」に関してだけ言えば、喫煙に関係なく増えて当然だ。また、武田教授は「肺がん」と一くくりにしているが、組織型によって喫煙の影響を受けやすいものと、そうでないものがある。これらをすべて無視するなら、まったくもって非科学的である。
「タバコと肺がんはほぼ無関係」 武田邦彦教授発言は暴論なのか
2011/9/ 7

原発事故への発言でも知られる武田邦彦中部大教授が、統計データを元にタバコと肺がんはほぼ無関係とブログに書いて、論議になっている。これが本当なら、「健康のため」の増税論議は無意味になってしまうのだが…。
小宮山洋子厚労相の1箱700円発言をきっかけに、政府内で、タバコ増税について閣内不一致を生むほどの論議になっている。増税の根拠について、小宮山氏は「健康のため」を挙げたが、武田邦彦中部大教授(資源材料工学)が、こうした観点からの増税に異論を差し挟んできた。
「喫煙は減ったのに、肺がんが増えている」

武田教授は、自らのブログで2011年9月6日、これまでの「先入観」を否定し、「タバコと肺がんはほぼ無関係」とまで言い切ったのだ。
ブログでは、国の統計データから、この40年間で、男性の喫煙が8割から4割へと半減し、女性は2割弱で変化がないことを指摘。それにもかかわらず、男性は7倍に、女性は数倍に肺がんが増え、男女合わせれば5倍以上に増えていることから、タバコが肺がんの主要な原因とは言えないとした。
これに対し、統計から、年齢が上がるほど発がん率が高くなることが分かっているとして、肺がんの増加は、高齢化が主な原因との見方を示した。武田教授は、100年前に比べ、平均寿命が40歳ぐらいから80歳前後にまで伸びていることが大きいとしている。
そのうえで、武田教授は、タバコには、楽しみや精神的安定などのメリットもあると指摘。酒なども健康に害があるのに、タバコだけ社会的に制限して、値段を上げたり、喫煙者を追放したりするのは誤りだと断じている。

http://www.j-cast.com/2011/09/07106598.html?p=all

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