2012年1月6日

「手配犯名乗る者追い返すな」 そんなことして大丈夫!?

今回の指名手配犯を追い返した事件を受けて、警察庁から、

「手配犯名乗るものは追い返すな」

というお達しが出た。
その気持ち、分からないでもない。

しかし、ひねくれ思考からか、変な危惧もわいてくる。
今後、もし仮に麻原彰晃なみにトンデモない大量殺戮犯が出たとする。仮に、コイズミとでもしよう。そのコイズミが麻原みたいに狂信的な信者を多く集めて大量殺戮を指示して、実際に大勢の人が亡くなって、それから捕まることなく潜伏。ようやく警察の手がコイズミに近づいたと思ったら、各警察署に、

「すいません、コイズミなんですが……」

と名乗るヒゲの男が殺到。上からは、そういう連中はとりあえず追い返すなとの指示。追い返さなかったら、取り調べが必要。そいつが言うことが本当かどうか、実際に人を動員して裏をとらないといけない。捜査かく乱として、これほど良いかく乱方法はない。

たしかに、今回の警察の失態は否めない。しかし、現実問題として、指名手配犯の全員を、顔と名前一致させて暗記するのは不可能。そもそも、そんなことができる能力があれば、警察官なんてやっていないって。決して警察官を卑下しているわけでもないし、かばっているわけでもないけれど。

ふと思ったのだが、顔と名前が一致するくらいに暗記したとしても、逃亡者ならリンゼイさん殺害の市橋みたいに整形するくらいはやるだろうし、これだけ不法入国者がいるのだから身分証偽造だって簡単なんだろう。顔や身分証だけでは、簡単に特定できないんじゃないだろうか。

かといって、追い返したのはやっぱりまずかった。一晩泊めるべきだったかもしれないが……、いや、待てよ。それだと、指名手配犯ですと嘘ついて警察署に泊まる連中が増えたりするかも……。

どういう方法が一番いいのかは分からない。でも、失態だ無能だと叫んだって解決しないし、かえって悪い方向に進む危険性だって大いにある。何ごとにつけ、ある特異な一例を根拠に、極端な方向付けをするのは危ないのだ。


<追記>
元機動隊員のブログ
機動隊の事情と平田の自首

うちの病棟の公衆電話からもよく110番しているし、実際、それで警察業務に支障が出ているようだ。だから電話の制限をしてくれ、と警察からお願いがくるのだが、現実問題ちょっと難しい。

警視庁の機動隊員が先月31日、出頭しようと警視庁本部を訪れた平田容疑者を門前払いしていたことを受け、警察庁は6日、重要事件の指名手配犯の特徴を全警察官・警察職員に確認させるように全国の警察本部に指示した。
庁舎警戒や受け付けの職員には、指名手配犯を名乗る者は独自の判断で追い返さないように求めた。
一連のオウム事件後に採用された職員が増えていることから、高橋克也(53)、菊地直子(40)両容疑者が関与した地下鉄サリン事件の概要などを改めて周知することも要請。国外逃亡や死亡と思い込まず、「必ず国内のどこかに潜伏している」との意識で業務に当たるよう呼びかけている。
(2012年1月6日19時27分 読売新聞) 

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