2012年1月7日

家族が突然に興奮して暴れ出したら、救急車よりも先に警察へ通報をするべきだ

「子どもが暴れている」とか、「女房が刃物を持ち出して」とか、そういうことで精神科に連絡してきたり、救急車要請したりする人は案外に多い。しかし、そういう状況では、まず警察に連絡して欲しい。消防隊員は、刃物を持った相手と戦う手段を持っていない。まして精神科に連絡をされても手の打ちようがない。せいぜい「警察に連絡しませんか」とアドバイスするくらいしかできない。警察は銃も警棒も持っているので、手がつけられないくらい暴れていたら警察の出番である。

家族から保健所に通報があって、駆けつけた保健師が玄関に入るなり、待ちかまえていた患者から包丁で刺されて死亡したケースもあるらしい。だから、緊急時に往診する場合、家に入る前にまず「患者がどこにいるか」を家族に確認するのが重要だと教わった。家族が通報した後に避難して家にいない場合、非常に危険なので家に入ってはいけない。

改めて書くが、仮に精神科通院歴があったとしても、暴れて手がつけられない場合には、救急車ではなく、まずは警察に連絡するべきである。
6日午後10時25分頃、大阪府大阪狭山市消防本部に「別居している息子の様子がおかしい」と父親から通報があった。
救急隊員3人が救急車で同市西山台の府営住宅に駆け付け、うち1人が部屋を訪ねたところ、住人の男(46)が突然、玄関先で隊員を蹴るなど暴れ出した。男はギターを振り回して路上まで隊員を追い掛け、救急車の後部ドアのガラスをギターでたたき割るなどし、隊員らが車を離れたすきに運転席に乗り込んで救急車を奪った。
さらに、同市内で信号待ちをしていた乗用車に追突する事故を起こしながら、和歌山方面へ逃走。府警などのパトカーが追跡、約1時間20分後、約60キロ離れた和歌山県広川町内で停車させた。救急隊員2人が軽傷の模様。同県警は、男を強盗致傷容疑で緊急逮捕した。
(2012年1月7日03時04分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20120107-OYT1T00110.htm

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