2012年9月4日

『抜き忘れた針、心臓に刺さり女性患者死亡』 なんで!?

※ニュースは最後に。

一般人は普通の長めの針をイメージするかもしれないが、心のう液を抜き取るのだから、刺したのは注射針だ。注射針というのはもの凄く細い筒状になっていて、注射器に取り付けるプラスチック部分があり、針の太さによってそのプラスチック部分の色が違う。

こんな感じ。
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こんな針を、処置した医師が抜き忘れ、さらにはその場にいた誰も気づかないで、遺体を検案するまで放置されていたなんて、いったいどういう状況なのか思い浮かばない。

もの凄く突飛な想像をするなら、医師が心のう液を取る姿を家族の誰かが見ていて(普通は処置中は部屋の外に出すけれど)、患者が急変した時に「生き返って欲しい」という想いから、見よう見まねで針を刺した、ということがあるかもしれな……、いや、ないな。

ただ処置医のミスという以上の、もっと色々な要因や謎がありそうな事故である。


<追記1>
この事故は、去年の8月に宮城県石巻市で起きている。あの地震と津波から半年と経っていない時期だ。勤務していた医療者も亡くなったり避難したりで、スタッフがかなり不足していたことが予想される。人手がないうえに、機能マヒした病院や医院から患者が押し寄せ、各スタッフの負担は通常の数倍にはなっただろう。かなり慌ただしい中で、かつ他院にも頼りにくい状況(他院の被害も甚大)で起きた事故だとすれば、状況を知らない人がこれをミスだといって責めるのは軽すぎやしないだろうか。

<追記2>
いろいろ調べていたら、留置針の内筒を抜き忘れたのではないか、という意見があった。留置針とは、柔らかい外筒の内側に金属の内筒が入っている構造の針で、一般の人は点滴するときに見かけるのが代表的だと思う。その内筒を抜き忘れてチューブにつなげば、固い針がそのまま残ることになるが、身体に刺しっぱなしでも見た目で違和感はない。
宮城県石巻市の石巻赤十字病院は4日、昨年8月に救急搬送された同県美里町の女性(当時53歳)の救命処置で、担当医師が心臓を包む心嚢に刺した針を抜き忘れ、死亡させる医療事故を起こしたと発表した。

病院側は遺族に謝罪し、石巻署に女性の死亡を届け出ている。同署は業務上過失致死の疑いもあるとみて調べている。

同病院の発表によると、昨年8月13日、末期がんだった女性が救急搬送され、間もなく心肺停止状態となったが、蘇生措置で心臓は再び動き出した。その後、循環器科の20歳代男性の担当医師が心嚢に針を刺し、たまった液体を抜き取る処置をしたが、翌14日午前5時頃、呼吸が停止し、死亡が確認された。

遺体を検案した別の医師が心嚢に針が残っていたことを発見。担当医師が院長らに報告し、依頼を受けた東北大病院が病理解剖した結果、抜き忘れた針が心臓に刺さったのが死因と判明したという。担当医師は「なぜ抜き忘れたか覚えていない」と説明。すでに依願退職したという。

(2012年9月4日11時36分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20120904-OYT1T00586.htm

2 件のコメント:

  1. 非常時だからと言って殺されたんじゃたまらない。
    挙句死因を虚偽報告し隠ぺいまでしている。
    非難されて然るべきではないのか。

    >見よう見まねで針を刺した、ということがあるかもしれな……、いや、ないな。
    精神科医が書いていい冗談だろうか。貴方は大学で何を学んだんだ?

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    1. >匿名2012年9月4日 16:26さん
      ここで「殺す」「殺される」という言葉遣いをすることが軽率だ、という話です。ここで非難されるべきは隠ぺいしていたこと(ソースがあるのか分かりませんが)であって、それ以外は非難するのではなく「なぜそういうことが起きたのか」を細かく分析することです。
      参考までに下記をご覧ください。
      http://psichiatra.blogspot.jp/2011/12/whooecd-health-data-2006gdpoecd1.html

      また、見よう見まねの話は冗談ではないです。臨床の実体験をもとにした空想です。実体験ですので、大学では学びません。大切な人の死に際して、遺族はこちらが想像する以上のことをやることがあります。これもまた下記を読んでみてください。
      http://psichiatra.blogspot.jp/2011/12/blog-post_9806.html

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