2020年2月3日

知的興奮と潜入捜査のスリリングさを同時に味わえる良書 『FBI美術捜査官』


元FBI捜査官による回想録。

盗まれた美術品を回収するための潜入操作に関するもので、読む前に想像したよりもかなりエキサイティング、スリリングであった。

回収対象の美術品に関する歴史的エピソード、盗まれた状況なども分かりやすく書いてあり、美術に素養のない俺でも興味を失わず読めた。読みながら盗品のイメージが欲しいときは、ときどきGoogle検索。

印象的だったのは、潜入して犯罪者と親密さを築くときの手口が、笑顔、ちょっとした模倣など、臨床で患者さんと関係を築く方法と非常に良く似ていたこと。捜査では捕まえるため、臨床では援助のためではあるが。

知的好奇心も満たされ、犯罪捜査ドキュメントとしても楽しめる、非常に良い本。

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