2014年7月23日

バカ親を啓蒙する効果は現状がマックスだろう

パチンコ駐車場での子どもの死は、哀しいかな、もはや日本の夏の風物死とすら言えるくらい毎年のように繰り返される。小さな子どもを車の中に放置してパチンコに呆けるバカ親はいつまでたってもなくならない。ただ、これを親の資質のせいにして叩くだけでは、いつまで経っても死ぬ子が減らない。啓蒙の効果も、おそらく現状がマックスではなかろうか。

では、どうすれば良いのか。

医療ミスを減らすためのアイデアを応用するのだ。すなわち、

1.アホなことが物理的にできないようにする。
2.アホなことをしても、重大事故につながりにくい装置や仕組みを考える。
3.アホなことをして重大事故になりかけても、素早く気づかれるようにする。
4.ミスや事故を個人の責任にせず、組織全体で受け止める。

これをそれぞれパチンコ店の駐車場にあてはめて考えてみると、

1.駐車場をなくす。あるいは、駐車場に有人ゲートを設けて子連れを拒否する。
こうして、まずアホなことができないようにする。

2.駐車場を10分500円にする。
駐車場をなくしたり、強気な有人ゲートを設置したりがムリなら、次の案。こうすれば、長時間、車をとめようなんて思わない。

3.チャイルドシートに重量・室温の感知センサーを装備。車と連動する仕組みで、一定温度以上になるとクラクションが鳴り響き、窓が全開になる。
アホなことをして、重大事故になりかけても早期に発見されるというのがこれ。アホな親がこんなチャイルドシートを買いそうにはないというのが最大の難点。

4.パチンコ店にも重いペナルティを課す。
その店の駐車場で子どもが死亡するような事故が起きた場合、2週間の営業停止処分など。こうすれば、上記1、2のアイデア以上のことをパチンコ店が実施することを期待できる。すでに本格的に取り組んでいるパチンコ店もあるらしいが、罰則はそれを後押しする。


責めるだけでは子どもたちは救われない。もちろん、アイデアだけでも救われない。こういうアイデアをどこまで広げて、どうやって実現させるか。こういう発想がもっともっとたくさん出てきて、それが社会全体のコンセンサスにまでなって、パチンコ店の規制(駐車場ゲート設置の義務化)などが進むと良いなと思う。

<関連>
赤ちゃんの車内放置死亡をなくすために
車内放置:パチンコ店駐車場で乳児死亡、母逮捕 沖縄
毎日新聞 2014年07月22日
生後5カ月の長男を車内に放置して熱中症で死なせたとして、沖縄県警豊見城(とみぐすく)署は22日、母親の同県豊見城市名嘉地、無職、新垣清乃(あらかき・きよの)容疑者(40)を重過失致死の疑いで逮捕した。同署によると、新垣容疑者は容疑を認めているという。
逮捕容疑は、新垣容疑者は6月10日午前10時半〜午後5時、那覇市のパチンコ店駐車場に止めた軽乗用車の中に、長男の博大(ひろと)ちゃんを放置し、熱中症で死亡させたとされる。午後5時15分ごろに新垣容疑者が博大ちゃんを病院に運んだが、既に心肺停止状態で、午後6時15分ごろ死亡が確認された。不審に思った病院が通報した。
調べによると、新垣容疑者は車のエンジンは切り、博大ちゃんは後部座席のチャイルドシートに座らされていたという。当時の那覇市の最高気温は29.2度だったという。【佐藤敬一】
http://mainichi.jp/select/news/20140722k0000e040177000c.html

2 件のコメント:

  1. ししとう432014年7月23日 7:42

    帚木蓬生さんという、精神科医の書いた本によると、ギャンブル依存症の95パーセント以上(97と記憶してますがあやふや)が、パチンコ・パチスロ絡み(「パチンコのみ」、あるいは「パチンコと競馬」のように)らしい。
    だから、これはもう業界として、取り組む問題でしょう。
    玉の売上げだけで年間20兆円前後、遊技機メーカーも含めれば、いくらになるか知りませんが、完全な巨大産業なんですから。
    アメリカのカジノは、ギャンブル依存症の治療に、それなりに関与と言うか協力しています。
    警察もしっかり天下らせてもらってるんだから、この母親のような犯罪防止に力を入れるべし。

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    1. >ししとう43さん
      日本では圧倒的にパチンコでしょうねぇ。
      20兆円と言えば、日本の「高すぎる」医療費の半分ですからねぇ。もう少し金をかけて何かしてもらっても良いんじゃないかとは思います。
      アメリカはそういうところ、さすがですね。

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