2014年8月28日

読書でも「損切り」は大事

「損切り」というのは投資用語で、「損が生じている投資商品を売って損失額を確定すること」である。これができないと、その商品の価値がさらに下落して損害が拡大する危険性がある。撤退する明確な根拠をもって早めに損切りをすることは、損失の拡大を防止する大切な方法である。

しかし、この損切りは難しい。人間には「いま持っているものを失うことを過大に評価する」傾向があるからだ。1万円の株が5千円になった時点で売れば5千円の損であるが、人はこれを非常に痛く感じる。もっと下がると心のどこかで分かっていても、ついつい「損が確定する」ことを先延ばしにしてしまう。

読書も同じだ。読みかけた時点で面白くないと判断してやめれば、本の代金はムダになるが、時間はかなり節約できる。ここでスッパリとやめられる人はすごいが、たいていの人は代金をムダにしたくない(損を確定したくない)からちょっと無理して読む。半分を読んだ時点で、やはり面白くないとする。ここで、本の代金と時間の損を確定できるかどうか。

自分はわりと読書の損切りができるほうだと思っているが、時どき失敗する。失った時間は決して取り戻せないだけに、損切りミスによる後悔、不快感は結構大きい。

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