2017年1月5日

敢えて「改悪する」ことで良さに気づかせる 『はじめての短歌』


サラリーマンを辞めた直後の24歳のころ、俵万智に読みハマっていた。その影響を受けて、まだブログのない時代にホームページを作り、そこで自作の短歌を発表していた。閲覧読者は少なかったが、読んでメールをくださる人もいた。その人とやり取りをして知ったのは、相手が同世代の若い女性であり、ときどき入院が必要になる難しい病気と闘っているということだった。

ネットで見かけた俺の短歌を印刷し、入院するときに持っていく。そして、それを同室に入院している同じ年ごろの友人に読んで聞かせるのだと書いてあった。彼女の語った詳しい内容は覚えていないが、「病院の外の世界が楽しく感じられて勇気が出る」といった、こちらが気恥ずかしいやら恐縮するやらの褒め言葉であった。

彼女とは医学部1年生のころにメールでやりとりしたのが最後である。あれから16年以上がたったいま、彼女がどうしているのか知らない。元気にされていることを願うばかりである。

最近、テレビで俳句が流行っている。それで俳句に関する面白そうな本を探していたら、たまたま見つけたのが本書、短歌の本だった。読むうちに16年前のことを思い出し、また短歌(らしきもの)をつくってみたいなと思うようになった。

本書では、素人の投稿作品をプロが敢えて改悪することで、逆説的にその人の良さを指摘するという形式となっている。すごく斬新であり、また褒め言葉も巧みなので、短歌をつくるということへの気後れを取り払ってくれる良い本である。

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