2017年7月31日

日航機墜落事故を新聞記者の目線で描いた名作小説 『クライマーズ・ハイ』


日航機墜落事故については、これまで何冊も本を読み、ここでも何回か語ったことがある。事故の日、小学4年生だった俺は、生まれて初めての飛行機に乗った。しかも一人で東京に向かった。叔父の家に着いてしばらくして、テレビで事故の速報が流れた。地元の親戚はみんな慌てたらしく、俺の安否を確かめる電話が何件もかかってきていた。俺を東京に送り出すことにした母は、「なんで子ども一人で飛行機に乗せたんだ!」なんて責められたらしい。子どもだった俺は「乗る飛行機も行き先も違うんだから、大丈夫に決まってるじゃん」なんて思っていたが、娘ができたいまなら当時の大人たちの気持ちが分かる。

さて、本書の著者である横山秀夫は、元新聞記者である。しかも、日航機墜落事故があった当時に、群馬県の地方新聞である上毛新聞の記者であった。名作家が直接に体験したことをもとに書いているので、怒りや哀しみや焦燥感がピリピリと伝わってくるような描写だった。

知人の地方新聞記者と『クライマーズ・ハイ』の話題になったとき、「あんな感じですか?」と尋ねたら、「そうそう、あんなですよ」とのことだった。文章を読んだり書いたりするのは好きだが、とてもあんな修羅場のようなところで生き残っていけるとは思えない……。若いころにうっかり新聞記者なんか目指そうと思わなくて良かった、と、記者への敬意をこめてそう思う。

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