2018年7月10日

タイトルのインパクトに負けない内容で、本好きでなくても楽しめるはず! 『出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと』


内向的で、本とサブカルに支えられた中学・高校時代を送った著者。夫との別居をキッカケに、出会い系サイト「X」で出会った人に「合いそうな本を勧める」という少し変わった活動を始める。そうやって知り合った人たちと語ったり遊んだりするうち、著者は「働きかた」も含めた「自分の生きかた」のようなものを発見していく。

と、こう書くとなんだか陳腐に見えてしまうが、実際にはグイグイ引きこまれて、プッと吹き出したり、「うーん」と唸ったり、自分だったらどうするだろうかと考えさせられたり、非常にエキサイティングな読書体験だった。

サブカル好きだった著者はヴィレッジヴァンガードに憧れて入社するが、その後に発展していくヴィレヴァンの「広く浅く、人気キャラグッズも売る」みたいな展開に違和感を抱く。そして結局は退社してしまう。そのときの気持ちを綴った文章を読みながら、
「俺が好きだった怪しげな店ヴィレヴァンが、いつの間にか子ども向けのおもちゃ屋になったように感じたのは、間違いではなかったのか!」
著者と本を通じて握手したような気がして嬉しくなった。

平成30年5月時点で、著者はHMV&BOOKS HIBIYA COTTAGEの店長をされているとのこと。また、ツイッターもされている(@hanadananako)。

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