「うんとこしょ、どっこいしょ、それでもカブはぬけません」で有名な童話『大きなカブ』は、最後にネズミが加わって抜ける。
おじいさんやおばあさん、孫や犬やネコといった大きな力を合わせてもびくともしなかったのに、ネズミが加わって抜けるのは「ネズミが一番強いから」ではない。
成功・失敗を決めたように見える最後の一押し(または一抜き)が、全体における最大要因というわけではないのだ。
たとえばの話。
「ちょっと怒られたくらいで出社しなくなった」
「あれくらいのことで学校に来なくなるなんて」
「そんなことで離婚を切り出されるとは」
この「ちょっと怒られた」「あれくらいのこと」「そんなこと」が、『大きなカブ』のネズミにあたる。ネズミが手伝っただけでカブが抜けたのと同じで、結果に至るまでの過程にはネズミ以外の大小さまざまな要因が関わっているはずなのだ。
子どもに『大きなカブ』を読ませて、
「だれが一番力持ちでしょう?」
と質問したとする。ネズミと答える子は、きっとごく少数だろう。
最後の一押しが最大要因というわけではない。
『大きなカブ』は、そんなことを伝える物語なのだ。
ホンマでっか!?
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