タイトルが大げさで、一応「聞くこと」を仕事にしている身としては、ちょっと引き気味で読み始めた。ところが、なるほど評価が高いのも頷ける内容だった。
とはいえ、これを読んで「目からウロコ!」と絶賛するような診療はやっていないつもりである。「自分のやりかたは間違っていなかったな」という「答え合わせ」のような感覚を味わうことが多かった。そして、その「答え合わせ」が実は重要なのだ。
日常診療で無意識、感覚的にやっていることはなるべく言語化するよう心がけているが、それでもすべてを網羅することは不可能だ。そして、そういう漏れた部分をこうして言語化されたものを読むことで、今後の「うっかりミス」を減らせるようになる。
各章タイトルのうち、一般の人でも興味を持てそうなものを抜き出してみる。
・聞き上手は話さない。
・真剣に聞けるのは、一時間以内
・相づちの種類は豊かに
・相づちはタイミング
・自分のことは話さない
・情報以外の助言は無効
・評論家にならない
・LISTENせよ、ASKするな
・したくない話ほど前置きが長い
・聞きだそうとしない
・沈黙と間の効用
日常生活にもかなり有効な技術が書かれた本なので、一般の人にもお勧めである。
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