2019年3月28日

「医者は人の気持ちが分からない」と言ってしまっちゃっている人たちへのアドバイスみたいなもの

医者って人の気持ちが分からないよね。

たまにではあるが、こちらが医師であると知っていながら、面と向かってこんなことを言う人がいる。そう言われる医者がどういう気持ちになるか、その人には分からないのかな?

もしかしたら「医者は傷つけても良い」という暗黙の了解でもあるのかな?

「いや、医者のほうが患者を傷つけているではないか、だから……」という人もいるだろう。

しかし、相手に傷つけられたことが、相手を傷つけることを正当化するわけではない。それがたとえ医師と患者の関係であっても、医師の側も、患者の側も。

「それじゃ患者は泣き寝入りじゃないか!」
と怒る人もいるかもしれないが、医師だってさんざん泣き寝入りしているのだ。

だから、改めて。

互いに、相手を傷つける正当性などない。

幸い、こういうことを患者さんから言われたことはない。言われるのは病院外で、しかもたいてい「あなたは」ではなく、「医者は」と一くくりにされる。でもそれは、「だから女性は~」「これだから男は~」と言うのと同じく、ナンセンスだ。

では、もしも主治医に気持ちを分かってもらえていない、傷つけられていると感じた場合、どうしたら良いのか。

そのままを伝えるのだ。

「わたしは、気持ちを分かってもらえていないと感じている」
「わたしは傷つけられたと感じる」

自分の感覚をもとに相手を「気持ちが分からない人」などと評価するのは、相手を傷つけるだけで、言いたいことは伝わらず、互いに無益な時間をやりとりすることになる。いっぽう、自分の感覚そのものは誰にも否定できない。

「先生は人の気持ちが分からないんですね」
「んー(は?  なんだこの人……?)」

となるところ、伝えかたを変えれば、

「分かってもらえていないと感じます」
「どのあたりでしょう、もう少し詳しくお聞かせください」

「傷つけられているように感じます」
「すいません、そういうつもりはありませんでした」

そううまくいくかは分からないが、少なくとも分かり合うための糸口はつかめるのではないか。

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