2019年9月25日

育児書は書くほうも、読むほうも、売り手も、レベル選びが難しい……。 『児童精神科医ママの子どもの心を育てるコツBOOK 子どもも親も笑顔が増える!』 『小児科医ママの「育児の不安」解決BOOK 間違った助言や迷信に悩まされないために』


Amazonレビューで星5つが多いので、我が子の子育てと、自分の仕事で役立てられないかと思って読んでみたが、星5つはちょっと過剰評価ではなかろうか。同じような内容で、もっと安い本はけっこうある。ちなみに本書は定価1400円。

専門が異なるとはいえ同じ精神科医だから、評価がちょっと厳しくなるのかなぁ……。


いっぽう、こちらは星4つくらい。専門家にとっては当たり前で気にすることがないのに、親は気になってしまうというポイントをよく押さえてある。「薄毛ってなおるの?」「おへそがきれいになりません」「頭の形がいびつです」といった体の話、「母乳に食べたものの味が出る?」「授乳中の嗜好品はダメ?」といった食事の話、「新生児は、いつから外出OK?」「おしゃぶりはよくない?」「ベビーバスっていつまで?」「かぜのときの入浴はダメ?」といった生活の話、おむつかぶれや乳児湿疹、汗疹と言ったトラブルの話など。

新米パパ・ママが読むには分量もほどほどで良い本だと思った。


久しぶりに育児書を読んだが、こういう本はターゲットをどういう人にするかで中身も大きく変わる。上の2冊はおそらく普段あまり本を読まない人向けであり、文字は少なく、挿し絵が多い。また情報過多にならないよう、かなり抑えてあるように感じた。本を読み慣れた人にとっては物足りないだろう。しかし、情報満載の育児書が良いかというとそうでもない。本を読み慣れてはいるといっても、それが普段は小説メインという人の場合、膨大な情報を処理するのに一苦労するだろうし、情報の洪水に呑みこまれる恐れもある。

育児書というのは、書き手も読み手も、そして売り手も、選別というのが難しいものだと感じた。

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