2011年12月4日

統合失調症で幻覚が出る理由の一説 中井久夫『最終講義 分裂病私見』より


「セルフ・システム」とはサリヴァンの言葉で、自己の統合性を守るために、それを脅かすものを意識から解離するシステムである。分裂病以外のすべてのすべての精神障害はセルフの偏った作動だが、分裂病はセルフ自体の崩壊。それは「セルフの解離力の虚脱」である。
「セルフの解離力」とは、意識の統一性と共時的・通時的な単一性との妨げになる“解離されるべきもの”を、意識の外へ外へと汲み出す力で、この「セルフの解離力」が虚脱することで、解離されていたものがいっせいに意識の中に奔入してくる。それらは、一度解離したことによって、「自己に所属している」というラベルを剥ぎとられたまま意識に上る。
そして、これが幻覚となる。
これを読んで、俺は非常に了解・納得したが、言葉がやや難解で堅くとっつきにくい。そこで、親族・友人が読んでも分かるような形で自分なりに書きなおす。ただし、解釈が中井先生の言わんとするところと合致するかどうかは分からない。

人間は、
「今ここにいる自分こそが自分である」
「過去の自分と今の自分と未来の自分は同一線上にある」
という二つを、意識的・無意識的に確信し続けながら生きている。そして、この確信を揺らがせるような感情・考えを、意識から解離するシステムがある。もともと自分の中にあった感情・考えは、意識から除去される時に「自分のもの」というラベルが剥がされる。そして、「自分以外のもの」という新しいラベルを貼られる。この「意識の解離力」が虚脱すると、「自分以外のもの」が意識の中に流れ込んでくることになる。これが、幻覚となってその人を悩ませる。

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