2012年9月7日

イジメから子どもを守る、という考え方

イジメをなくそう減らそうと考える場合、子どもを守る、という視点を見失わないことが大切である。「子ども」とは、被害者であり、加害者であり、傍観者であり、被害者予備軍であり、加害者予備軍である。加害者を学校から弾き出せば、今起きているそのイジメは止まる。しかし、はみ出した加害者が新たな被害者を見つけてしまうのでは、イジメの総数は減らない。

DV問題と同じで、加害者を被害者から引き離せば万事解決、というわけではない。加害者が今後も引き続き加害者になり続けないために、つまり、新たな被害者を生まないために、加害者である子どもを「加害者という立場」から救うという視点も大切なのだ(これが誤解を受けて「加害者擁護」と非難されることも多い)。

ただし、DV問題がそうであるように、今まさに被害にあっている子どもをなるべく早急に加害者から引き離すことは大切だ。そしてその場合は当然、被害者ではなく加害者に学校から距離をおかせるのが筋だが、往々にして、イジメの加害者は複数であり、また中心人物以外にも「曖昧な加害者」「間接的な加害者」が多いので、学校から引き離す対象を選定するのが難しい。

そうは言っても、ダラダラとした対応で被害者が自殺に追い込まれるようではいけない。そこで、緊急避難的に被害者を学校から遠ざけるという考えも出てくるのだが、これはあくまでも「緊急避難」であって、決して根本的解決策ではないということを忘れてはいけない。「今の被害者」がいなくなれば、加害者らは「次の被害者」を探すかもしれない。今あるイジメを止めることが、イジメの総数を減らすことにつながるとは限らないのだ。

<追記>
大津事件の加害者が、転校先でも暴力事件を起こしたようである。この文章は、以下のニュースの一週間くらい前に書いたが、やはりその通りのことが起こったわけだ。
大津いじめ:別の傷害容疑、中学生を家裁送致
毎日新聞 2012年08月21日 11時31分(最終更新 08月21日 13時16分)

大津市で昨年10月に自殺した市立中学2年の男子生徒をいじめたとされる同級生3人のうちの1人が今年6月、転校先で同じ中学に通う生徒同士の暴力事件に関与したとして、傷害容疑で書類送検され、家庭裁判所に送致されていたことが分かった。この同級生は、自殺した生徒の遺族から暴行、脅迫などの容疑で告訴されている。

非行内容は、6月12日、神社で他の男子生徒数人とともに別の男子生徒1人を約20分間、殴ったり蹴ったりするなど暴行し、全治2週間のけがをさせた、とされる。さらに、被害生徒の文具を捨てたり、かばんを燃やしたりしたという。被害生徒側が7月、警察に被害届を出した。

捜査関係者によると、この暴力事件で、大津市のいじめに関与したとされる生徒は主導的な立場ではないという。事件のあった地元の教育委員会は「いじめではなく、生徒間の暴力事象と考えている」としている。

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