2012年10月31日

ある電力会社の新入社員が抱える憂うつと鬱憤

先日、東京の某一流私大を卒業した後、電力会社に就職して一年目の男性と話すことができた。今けっこう大変じゃないのかと聞いてみると、いろいろと憂うつになることや鬱憤のたまるようなことがあるようだ。

例えば、飲み会などで社名を出さないのはもちろんのこと、スーツにつけている社章も外す。そこまで気をつけて飲んでいても、ふとした拍子にバレてしまうことがあり、そういう時には無関係の酔客からからまれることもある。会社に内定した後で震災から原発問題に至る問題が発生してしまい、高かったモチベーションに憂うつという陰がさしている。

さて、ここまで原発が社会問題になっているのだから会社内がピリピリしているかというとそうでもないらしい。
「現場は緊張感があるのに、上層部や中間管理職あたりが気楽に構えているとか?」
「いや……、もっと近い層の、ほんの少し上の先輩たちでさえ危機感がありません。そういう姿を見ていると……、なんというか、憤りというか……」
会社内に「嵐が過ぎるのを待とう」「国民も喉元過ぎれば忘れるさ」といった空気が漂っていて、それが入社したばかりで意気たぎる彼には腹立たしいようだ。

そうは言っても、入社してまだ一年にも満たない彼が先輩や上司にもの申すなんてことは無理なわけで、複雑な表情で現状を語る彼の姿が印象に残った。

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