2014年7月29日

忘れてしまいたいほどの悔しさを忘れるな。それは絶対バネになる。

「なんで酒飲まないの?」
元上司は、少し酔った目で俺に声をかけてきた。
「医学部に入るために勉強しているので」
そう答えると、彼は鼻で笑った。
「現実逃避としか思えないね」

ブックオフを退社して3ヶ月ほど経ったある日。元上司の転勤が決定したらしく送別会に誘われた。その上司とはあまり気が合うほうではなかったし、自分は元社員で無関係なのだから行かないと答えた。医学部を目指して勉強を始めていたこともあり、飲み会になんか行っている場合ではないという気持ちもあった。しかし、上司がどうしても来てほしいと言っているとのことで渋々参加することにした。

そしてそこで、その上司から笑われたのだ。

「現実逃避としか思えないね」

彼のその一言、そしてその時に感じた震えるほどの悔しさ。

それは、俺の心をいつも支えてくれた。

くじけそうになると、あの時の上司の顔と声、そして自分が感じた悔しさを思いだし、歯を食いしばりながら、「今に見てろ」と念じながら、また立ち上がって歩き出した。

トンデモないブラック上司だったが、今となっては懐かしく、そしてほんの少しの感謝の気持ちすら持っている。あの一言と悔しさがなかったら、俺は医者にはなれなかっただろう。


コメントくださった方への返信にかえて。

1 件のコメント:

  1. ご返信ありがとうございます。激励ありがとうございます。
    見ず知らずの人間のために一筆いただいたこと、もちろんその内容も、決して忘れません。

    頑張ります

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