庭にある水道蛇口のところに、数ヶ月前から女郎グモが巣を張っている。家の中で大きなクモを見るとギョッとするが、こうやって外で見る女郎グモは優雅でけっこう好きである。時どきデジカメにアップで撮るのだが、そうと知らずに娘の写真を見ようとした妻が悲鳴をあげることになる。妻は大のクモ嫌いなのだ。
数ヶ月前は小さかった女郎グモが、日を追うごとにだんだんと大きくなるのを見ながら、こんなところにも獲物がいるのだなぁと妙な感心をしていた。かなり成長してプリプリした胴体には、禍々しい黄色と黒の縞模様、そしてそこから伸びるおぞましい八本の足。それらは確かに不気味ではあるが、不快にはならないから不思議だ。
ところで余談だが、女郎グモを何匹も観察すると、足が1本、多い時は2本くらい喪われているものが多いことに気づく。そんな姿を見ると、女郎グモは捕食者として巣を張り獲物を待つだけではなく、彼らもまた自然の中で被食者として生き延びているのだということをしみじみ感じる。
さて、先日の朝、いつものように水道の女郎グモを眺めに行くと、なんとまったく別の種類のクモが居座っているではないか。女郎グモの姿はどこにもなく、かわりに貧相に痩せたクモが巣の中央に鎮座しているのである。どう見ても女郎グモのほうが大きくて強そうなのに、まさかこんなのに追い出されてしまったのだろうか?
なんだか妙な寂しさを感じてしまったが、クモ嫌いの妻にはこんなエピソードは聞かせられず、こうしてブログでひっそりと語るのであった。
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