2017年1月25日

新撰組を軸として、時代に泣かされた女たちの悲哀を描いた長編小説 『輪違屋糸里』


物語の序盤、芹沢鴨というトンデモない酒乱の侍がえげつないことをやらかす。読んでいて、決して気持ちの良いものではない。ところが、この芹沢も決してただのトンデモ酒乱なわけではなく……、ということろが、いかにも浅田次郎らしい。

前作『壬生義士伝』と同じく、極めつけの悪者という人物はいない。みんながみんな、それぞれに事情を抱えている。それを独白という形で上手く語らせる手腕はさすが。人物描写、話運びのどちらにおいても秀逸で、思う存分に楽しませてもらった。

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