2017年4月26日

研修医時代に出会いたかった……、研修医の皆さん、読むなら今ですぞ!! 『救急外来 ただいま診断中!』


当院の当直は、医師一人ですべての科の患者をみる。そして、さらに緊急に専門的な診療が必要と判断したら、各科のオンコールを呼ぶというシステムである。これまで、長年にわたって精神科医は当直免除だった。これは、ずいぶん古い時代に派遣元の精神科医局と当院とで取り決められたものだが、当院と医局との縁は切れて久しい。取り決めは、すでにうやむやである。

昨年末、新医局長から精神科医にも当直をお願いできないかという打診があった。この依頼には、一部の若手医師による「精神科医は当直免除で優遇されている」という不満の他、いろいろな思惑が付随しているのだが、それはまぁここで書くことでもない。

さて、そういう事情があったので、一念発起して救急外来の本を一冊通読してみようと思い立った。ボチボチ進めたので読み終えるのに1ヶ月かかったが、ちゃんと読み通すことができた。研修医時代を思い出して復習しながら、と言いたいところだが、ポンコツ研修医だったので思い出す内容があまりない。いま持っている身体疾患の知識は、ほとんどが研修医を終えてから身につけたものばかりだ。

そういうわけで、現場の空気感だけを思い出しつつ、新たな知識を一生懸命に読んだ。読んだだけで身につくことはないが、そのつど本書を見直して、トリアージして、オンコール! という流れになりそうだ。研修医時代に、こういう本を読みながら仕事をしていれば、もう少しまともな医師になれたのかもしれない……、と一人静かに反省と後悔。

どういう本なのか参考になるよう、目次の見出しと副題だけでも記載しておく。

1.意識障害に出会ったら
  原因を見逃さないための10の鉄則
2.湿疹に出会ったら
  心血管性・出血性を否定せよ!
3.痙攣に出会ったら
  目撃者を探せ!
4.ショックに出会ったら
  早期発見・早期治療を心掛けよ!
5.アナフィラキシーショックかな?と思ったら
  アドレナリンを正しく使用せよ!
6.敗血症かな?と思ったら
  早期発見・早期治療を心掛けよ!
7.尿管結石かな?と思ったら
  正しく診断しよう!
8.疼痛患者に出会ったら
  痛みの問診を習得せよ!
9.頭痛患者に出会ったら
  くも膜下出血を見逃すな!
10.胸痛患者に出会ったら
    Pitfallsを知ろう!
11.腹痛患者に出会ったら
    恐い腹痛を除外せよ!
12.吐下血に出会ったら
    緊急内視鏡の適応を理解せよ!
13.高K血症かな?と思ったら
    診断と治療の正しい理解
14.肺炎かな?と思ったら
    重症度を正しく評価しよう!
15.尿路感染症かな?と思ったら
    除外診断と心得よ!
16.髄膜炎かな?と思ったら
    腰椎穿刺の閾値を下げよ!
17.めまいに出会ったら
    歩けなかったら要注意!
18.頭部外傷に出会ったら
    原因検索が最重要
19.低血糖かな?と思ったら
    ブドウ糖投与しておいしまいじゃ困っちゃう
20.脳卒中かな?と思ったら
    病歴聴取が最重要
21.アルコール患者に出会ったら
    お酒にまつわる落とし穴
22.心肺停止に出会ったら
    胸骨圧迫が超重要

それぞれ深すぎないところが良い。不熱心だった研修医時代を終え、精神科医として9年目になる俺でも読んで分かりやすい本だったので、現役研修医の皆さんには強く勧める一冊である。

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