2017年9月19日

魅力的な設定、豪快なストーリーだが、ちょっとパワー不足 『悪夢の六号室』


木下半太の「悪夢シリーズ」は、どれも設定が魅力的でストーリーも豪快である。ドンデン返しも面白いものが多い。

本書ではタイトルにある「六号室」と、となりの「五号室」が舞台になる。エレベーター、観覧車、ステーキハウスなど、舞台をかなり狭く限定するのも「悪夢シリーズ」の特徴で、これは著者が演劇に携わっていることも影響しているのかもしれない。この限られた設定・舞台の中で、登場人物たちが活き活きと動き回るところに「悪夢シリーズ」の魅力がある。

ただ、今回はちょっとパワー不足だった。キャラもドンデン返しもイマイチで、一部に描写の破綻もあったので、良くてせいぜい星3つというところ。

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