ドイツの小説家(弁護士でもある)による連作短編集。タイトル通り、すべて犯罪がらみのものばかりだ。
事実をもとにしているようで、劇的トリックや感動オチといったものはほとんどない(皆無ではない)。このあたり、同じく弁護士で、犯罪がらみの小説を書くアメリカのジェフリー・ディーバー(
『リンカーン・ライム』シリーズ)とは趣が異なる。
感傷的な描写をせず、淡々と描かれていく人間模様、犯罪の裏側に、ぐいぐいと引き込まれてしまう。少し脚色された精神科ケースレポートを読むような感覚で、非常に面白かった。ただ、ハラハラドキドキするような小説が好みという人には向かないかもしれない。
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