2017年12月5日

淡々とした描写とは裏腹に、感情がグッと引き寄せられる短編集 『罪悪』


前著『犯罪』でファンになったドイツの小説家シーラッハによる短編集。彼は弁護士でもあり、本書も『犯罪』と同じく、すべて刑事事件がらみの話である。

第一話は17歳の女性が親父たちから集団強姦された事件についてだが、被害の様子や供述などが淡々と記述される。感傷を廃した描写とは対照的に、読み手の感情はグッと引き寄せられていく。まるで精神科のケースレポートを読んでいるようだ。

本棚に飾るのにも見映えが良いので、手もとに残しておく。

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