2018年3月12日

一昔前の新宿、飲み屋の世界に生きる男女を温かく描いた小説 『雨やどり』


バーやスナックといった世界で生きる人たちを温かく描いた連作短編集。どの作品も読み飽きさせないもので、直木賞を受賞したのも頷ける。

俺自身は、若いころから酒を飲みに行くのは居酒屋で、隣に女性が座るタイプの店は好きじゃなかった。また薄暗いバーもあまり好みではない。一人で飲むなら、人目をまったく気にせず黙々と、できれば本を読みながらというのが希望で、だから居酒屋チェーン店なんかが好みだった。43歳を目前に控えたいま、本書に出てくるようなバーを行きつけにして、ふとしたときに立ち寄っては一杯ひっかけて帰る、というのも良いかもしれない。

そんなことを思いつつ、実際には酒をやめたので、この先そういう機会はないだろう。それに、そもそもそういう飲みかたが性に合わないので、きっと長続きしない。

酒飲み世界を懐かしく感じながら、楽しく読み終えた。

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