何もしなければ問題がなかったはずの「顔を見分ける能力」が、顔の特徴を説明することで弱まってしまう。心理学者ジョナサン・W ・スクーラーは、これを「言語による書き換え」と呼ぶ。顔を言葉で説明すると、視覚記憶が言語に置き換わり、「どんなふうに見えたか」ではなく、「どんなふうに見えると言ったか」の記憶を引き出すというのだ。
別の話もある。
1983年、カリフォルニアにあるゲッティ美術館に、紀元前6世紀の大理石像が持ち込まれた。「クーロス」と呼ばれる全裸の若い男性の立像で、美術商の言い値は1000万ドルだった。美術館側はクーロス像を借り入れ、徹底的な調査にかけるなど慎重に対応した。地質学者が高解像度の立体顕微鏡を使って2日がかりで精査し、また電子顕微鏡、質量解析機、X線解析などのハイテク装置を駆使して調べあげた結果、このクーロスは本物であると結論づけられた。
しかし、このクーロスを見たイタリア人の美術史家は一目見て、なぜだか分からないが「爪が変だ」と思った。また、別のギリシア彫刻専門家は見るなり「お気の毒に」と言っていた。さらに、メトロポリタンの元館長は見た瞬間に「新しい」と感じた。アテネ考古学会会長は「初めて見た瞬間、なんだかガラス越しに見てるような感じがした」としらけてしまった。これらの評価を受け、改めて調査された結果、クーロスそのものではなく、彫像にまつわる手紙や書類が偽者であることが発覚し、このクーロスはほぼ間違いなく模造品だと結論づけられた。
専門家が第1感で見抜くのに要した時間、2秒。
Ciao いちはさん
返信削除わかるなあー、、
私もこの最初の二秒に、、ってか瞬間に 感じることを非常に信頼しています
間違えないんです、不思議と
>junkoさん
削除返事遅くなりすいません。
逆に言うと、直観、直感、最初の2秒で何かを感じられる人だからこそ、イタリアでの生活というのがあったのかもしれませんね。直感が先か、一流が先か、という問題はありそうです。