ウイルスによる人類滅亡を描く、いわゆる「終末世界」もの。
舞台設定が1960年代で、社会情勢などやや古くさい点があるものの、人のこころの動きは50年経ったくらいで大きく変わることはなく、いま読んでも充分に真に迫る内容であった。
メインとなる登場人物はいるにはいるのだが、それぞれの描写はそう多くなく、感情移入することはあまりない。ではつまらないかというとそんなことはなく、個々の登場人物よりも状況に重きを置いて綿密に描いてあるので、世界滅亡のさなかに自分がいるかのような絶望的な感覚になれる。そんな少し独特な持ち味のある小説であった。
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