ゲーム障害の治療で、「ゲーム時間を減らす」を主軸にすると、思ったようにいかず、治療者も患者さんも家族も辛くなる可能性が高い。
目標を「◯◯(ゲーム以外)の時間を増やす」にすることで、みんなの意識がゲームにとらわれずに済み、目標達成もしやすく、小さな成功を積み重ねていける。
ゲーム障害の治療は全国どこでもまだ手探り状態で、上記もあくまで実際に俺がやっている現状を記したにすぎず、これが長期的に見て最良かどうかは分からないことは、念のため書いておく。
2019年12月25日
2019年12月6日
ビートたけしさんの「引きこもり対策には『1人部屋禁止法案』」にガッカリ……
ビートたけし 引きこもり対策には「1人部屋禁止法案」
反対である。
「引きこもり対策」としては逆効果で、有害にさえなりうる。
というのも、安心して引きこもれる場所のない子たちは、別の安心できる場所を求め、よりハイリスクなところに引きこもる恐れがあるから。一人部屋をなくせば、ネットで知り合った人の家やネットカフェなど、引きこもる場所が変わるだけだろう。
たけしさんの主張は、「アル中は、酒をなくせばいなくなる」というのと同じ発想だ。ズバッと大胆なことを言っているように見えるかもしれないが、ハッキリ言って、陳腐である。
これくらいは誰もが思いつくアイデアであり、すでにそれに近い実力行使がなされており、そして効果はほとんどない。
たけしさんの切り口はけっこう好きなのだが、そのたけしさんにしてこれである。
「あぁ、引きこもってる人たちって、この程度の認識でしか見られていないんだな」
という参考にはなった。
一人部屋をなくせば引きこもりの問題が解決?
あまりに安易で苦笑すら漏れてしまう。
たけしさんには、
「国が安全な引きこもり施設を作ってあげれば良いじゃねぇか」
くらいは言って欲しかった。
反対である。
「引きこもり対策」としては逆効果で、有害にさえなりうる。
というのも、安心して引きこもれる場所のない子たちは、別の安心できる場所を求め、よりハイリスクなところに引きこもる恐れがあるから。一人部屋をなくせば、ネットで知り合った人の家やネットカフェなど、引きこもる場所が変わるだけだろう。
たけしさんの主張は、「アル中は、酒をなくせばいなくなる」というのと同じ発想だ。ズバッと大胆なことを言っているように見えるかもしれないが、ハッキリ言って、陳腐である。
これくらいは誰もが思いつくアイデアであり、すでにそれに近い実力行使がなされており、そして効果はほとんどない。
たけしさんの切り口はけっこう好きなのだが、そのたけしさんにしてこれである。
「あぁ、引きこもってる人たちって、この程度の認識でしか見られていないんだな」
という参考にはなった。
一人部屋をなくせば引きこもりの問題が解決?
あまりに安易で苦笑すら漏れてしまう。
たけしさんには、
「国が安全な引きこもり施設を作ってあげれば良いじゃねぇか」
くらいは言って欲しかった。
http://psichiatra.blogspot.com/2019/12/1.htmlビートたけしさんの「引きこもり対策には『1人部屋禁止法案』」にガッカリ……
2019年12月5日
ゲーム障害(依存)について、少し自分の頭を整理
ゲーム障害(依存)。
家族がゲームは何時までと決めると、それを守れるか守れないかで家庭内がギスギスし、ときに大喧嘩に発展する。
診察室では本人・家族と話し合い、本人に「やめる時間」を決めてもらう。これは守りやすく、家庭内の紛争が減る。
根本解決ではないが、まず継続治療を目標に。
ちなみに、まずは「始める時間」は決めない。極端な話、5時起床でゲームするのもあり。ゲームのためとはいえ早起き習慣がつくなら良し、くらいに考えてみる。
ゲーム障害は新しい疾患概念で、治療も暗中模索。
患者さんは中高生が多く、本人に「困り感」はない。
いっぽう家族は学校のことが気になり、目に見える成果を早めに欲しい。家族が受診に意味がないと感じると、治療中断してしまうリスクが高まる。
これらを考慮して、バランスよく関わる。
このときに治療者を支えるのは、
「依存症の予後は、どんな治療をするかより、どれだけ長く治療できるかで決まる」
という報告(松本俊彦先生の本などにちょいちょい出てくる)。
「困っていない本人」と「早い成果を求める家族」と関わり続けるためにはどうすれば良いか、を考える。
家族がゲームは何時までと決めると、それを守れるか守れないかで家庭内がギスギスし、ときに大喧嘩に発展する。
診察室では本人・家族と話し合い、本人に「やめる時間」を決めてもらう。これは守りやすく、家庭内の紛争が減る。
根本解決ではないが、まず継続治療を目標に。
ちなみに、まずは「始める時間」は決めない。極端な話、5時起床でゲームするのもあり。ゲームのためとはいえ早起き習慣がつくなら良し、くらいに考えてみる。
ゲーム障害は新しい疾患概念で、治療も暗中模索。
患者さんは中高生が多く、本人に「困り感」はない。
いっぽう家族は学校のことが気になり、目に見える成果を早めに欲しい。家族が受診に意味がないと感じると、治療中断してしまうリスクが高まる。
これらを考慮して、バランスよく関わる。
このときに治療者を支えるのは、
「依存症の予後は、どんな治療をするかより、どれだけ長く治療できるかで決まる」
という報告(松本俊彦先生の本などにちょいちょい出てくる)。
「困っていない本人」と「早い成果を求める家族」と関わり続けるためにはどうすれば良いか、を考える。
2019年12月2日
面白くて読み足りない!! 『仮病の見抜きかた』
エピソード、「賢明な読者へ」、エピローグという構成で、10章から成る。
面白くて、だからこそ読み足りなかった。
非常に印象的で、共感できる部分を抜粋。
頻回突診をする患者本人に、「なぜそんな理由で受診するのか」などと訊くのは全くの無駄である。そうではなく「頻回受診をしてしまう」こと自体を症状と捉えるべきである。
医師の誠実さというのは尊いが、診療が患者に届かなければ失敗である。逆に、診療の中断を防ぎ、多少いい加減でも患者に医療が継続的に提供されていれば成功である。
臨床医は、病気を持つ者の人生や人生観に触れられる、相変わらず奇異な職業だなとあらためて思った。
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