睡眠薬を処方されている患者の13.6%が、薬の添付文書に示された用量を超えた処方を受けていることが、厚生労働省の向精神薬処方に関する実態調査で1日分かった。抗不安薬でも4.2%が用量を上回る処方を受けていた。睡眠薬や安定剤の多くは30日分しか処方できない、という制限がある。また、たいていの医師や患者は外来の受診曜日が決まっている。約1ヶ月である4週間分処方するなら28日分だから制限にひっかからないが、患者の中には、1ヶ月に1回しか受診しないという人がいる。たとえば、10月1日に受診した人は、10月29日が次回受診日になるが、10月中に2回の受診はできないという人は、10月29日の翌週の11月5日に受診となる。このとき、処方は5週間分、つまり35日分が必要になるが、処方の日数制限を超えてしまう。
睡眠薬などは大量に服用すると依存性が生じることがある。症状が改善しないとして患者が処方量を増やすよう求めたり、医師が安易に増量したりするケースがある。厚労省は「患者の症状によっては相当量の処方が必要な場合もあり、直ちに問題とは言えないが、医師は必要性を十分考慮してほしい」としている。
調査では2009年4〜6月、健康保険組合加入者とその家族の約33万人分の診療報酬情報を分析。睡眠薬を処方された6226人のうち847人、抗不安薬では7560人のうち318人が用量を超えていた。用量の2倍以上になっている患者はそれぞれ221人、88人だった。
2011年11月1日 時事通信社
これに対して、どうにかうまくやりくりできるように患者の立場で処方すると、用量オーバーだと責められるが、そうしないと、今度は患者のことを考えていないと非難される。また、査定で削られないよう、なるべく利益が出るように努力すると「儲け主義」と揶揄され、利益を出さないと「赤字病院」となじられてしまう。
きっとこういうのをダブルバインドというのだろう。
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