2011年12月3日

処方箋をシンプルに

「処方をシンプルに」という場合は、なるべく単剤治療を心がけよという意味だが、ここでは「処方“箋”をシンプルに」ということを考えてみたい。

統合失調症患者に対する処方を例にして、

リスパダール:抗精神病薬。メインの治療薬で、一回2mgを朝、昼、寝る前で内服。
サイレース:睡眠薬。寝る前内服。
ワイパックス:安定剤。一回1mg、毎食後内服。
タケプロン:胃薬。朝一回内服。

これを処方箋に書くときに、
(薬の横のカッコ内の数字は何ミリグラム錠かを表す)
Rp1
リスパダール(2) 1錠
ワイパックス(1) 1錠
タケプロン 1錠
朝食後に

Rp2
リスパダール(2) 1錠
ワイパックス(1) 1錠
昼食後に

Rp3
ワイパックス(1) 1錠 
夕食後に

Rp4
リスパダール(2) 1錠
サイレース(1) 1錠
寝る前に
これではいささか不恰好である。まぁこんな処方箋が書かれることはほとんどないだろうけれど。メインの薬を調整した時に、過去のカルテを見てもパッとは分かりにくいからだ。こういう時には、メインの処方を独立させて、しかも最初に持ってきて、それから精神科に関係のない薬を最後のほうに持ってきて、
Rp1.リスパダール(2) 一日3錠 朝、昼、寝る前に1錠ずつ

Rp2.ワイパックス(1) 一日3錠 毎食後に1錠ずつ

Rp3.サイレース(1) 一回1錠 寝る前に

Rp4.タケプロン 1錠 朝食後に
実際に内服する患者にとっては最初に書いたもののほうが分かりやすいとは思うが、それは薬局で処方するときにコンピュータ処理で上のように記載できるから大丈夫。

たとえば、リスパダールを朝飲まなくても大丈夫となった場合、上下の処方箋がそれぞれどうなるかというと、
Rp1
ワイパックス(1) 1錠
タケプロン 1錠
朝食後に

Rp2
リスパダール(2) 1錠
ワイパックス(1) 1錠
昼食後に

Rp3
ワイパックス(1) 1錠 
夕食後に

Rp4
リスパダール(2) 1錠
サイレース(1) 1錠
寝る前に
Rp1.リスパダール(2) 一日2錠 昼、寝る前に1錠ずつ

Rp2.ワイパックス(1) 一日3錠 毎食後に1錠ずつ

Rp3.サイレース(1) 一回1錠 寝る前に

Rp4.タケプロン 1錠 朝食後に
精神科医として一番知りたいのは、薬の一日の合計量だから、下の処方箋のほうがパッと見て、「あ、2mg減っているぞ」というのが分かる。カルテ内容も大事だが、経過の長い患者の全体をざっと眺めるときには、メインの薬がどのように変遷しているかを真っ先に知りたい。その時に見て分かりやすいのが「シンプルな処方箋」だろう。

実際の処方は当院ではパソコンだし、手書きの場合は「3T3X」というような、素人が見ても意味不明の書き方になることが多い(3T3Xという記載はダメというお達しが出たような気もするが)。

あえて一般の人が見ても分かるように書いたので、細かい突込みはナシで。

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