2012年2月10日

医療用語の便利さ、乱用の危うさ

抗精神病薬の副作用に「眼球上転」というものがある。「目が上につる感じ」がして、実際に患者の眼球は上に向いている。患者は眼球の動きに対抗して視線を真っ直ぐにしようとするので、観察すると眼球が上下にピクピク動いているように見えることがある。

自ら「“眼球上転”するから副作用止めをください」という人たちがいる。「眼球上転」という単語を知っていそうもない人たちが、そういう言葉を使うことに違和感があった。きっと、これまでの主治医やスタッフの誰かから「眼球上転」という言葉で説明されたのではなかろうか。

こういう用語は便利なときもあるが、ともすると乱用されがちなので気をつけなければならない。覚えやすい医学用語は、それを覚えること自体が副作用の引き金になりかねない。

2 件のコメント:

  1. お薦めいただいた『3時間でわかる「クラシック音楽」入門』、早速読んで観ました。コンパクトなわりに情報が詰まっていていて、初心者のわたしには丁度よかったです。ありがとうございました。

    ところで、上の患者さんの話は、ネットで調べたのかも知れないですね。Googleさんに聞いてみると、とりあえず表面的な情報はすぐ集まりますから。

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  2. >のんくりさん
    俺もあの本でクラシックに入ったのでした。非常に分かりやすくて、深さもちょうど良いくらいで、いろいろな人に勧めています(笑)

    さて、上記二名の患者に関しては、とてもネットを駆使できるような人たちではないんですよねぇ……。片方は長期入院、もう片方もほとんど外の世界とつながっていない人でネットなんてとても……という感じでした^^;

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