医学生時代に教わったこととして、「病院の中で後ずさりをするな」ということがある。後ろに誰がいるか分からないし、もしそこに足腰の弱った高齢者がいた場合、ぶつかって転倒、骨折、最悪の場合は失命に至る危険性もあるからだ。
これは少し考えれば誰でも分かることなのだが、それでも患者や患者家族には病院内で後ずさりをする人がいる。誰かと立ち話をしていて、「それじゃ、また今度ね」などと言って後ろを振り返りながら歩き出す人が非常に多いのだ。階段でこれをやる人もいて、非常に危ない。何度もぶつかりそうになったことがあり、「もしこっちが高齢者だったらぶつかって転ばせてるぞ」と注意したくなるが、個別に注意しても不快感が残るだけだと思ってやり過ごす。患者・家族に限らず、ごく一部の看護師やそれ以外の病院職員でも似たようなことをやっている人は多い。
それから、走らない、というのも大切だ。緊急時に医療従事者が走るのは仕方ないが、それ以外のときに走るものではない。特に病棟や外来の廊下では、死角から人が出てくることが多いのだから、医療従事者が走るにしても、廊下の端ではなく真ん中を選んで走るなど相当に気をつけなくてはならない。これは病院で働くものの常識だろうと思っている。
病院で走る人というのは患者や家族ではそう多くないのだが、当院では調理室の職員に走る人がいる。危うく二度ぶつかりかけた。向こうが小柄な中年女性なので、俺とぶつかってもケガするのは彼女のほうだろうが、患者にぶつからないとも限らない。二度目にはさすがに注意しようと思ったが、すれ違ってすぐに彼女がトイレに駆け込んだので、なんとなく事情を察して何も言わないことにした。
飲食店のスタッフにも当てはまる心得です。特に厨房で。
返信削除あんがいやるやつがいるんですよ。
>佐平次さん
削除確かに飲食店でもマズい行動ですね。料理がこぼれるくらいならまだしも、厨房となると火も使う、刃物も扱う、熱湯もあるなど、危険がたくさんですもんね。
はじめまして。ツイートをいつも拝見しております。
返信削除患者として恐いことが2つ。
エレベータで乗り込む気満々の面会者。
それから、軽度の怪我の車椅子患者(特に若い男性)。
前者はエレベータから怪我に人や病人が降りてくることを何故か想定していませんし、
後者は不自由なのもいっときなので、巧い言葉が見つかりませんが武勇伝の一部にでもしたいのか、曲がり角の向こうに点滴提げたおばぁちゃんがいることも想定していません。
当に、患者と患者家族の困った行動です。
精神科病棟とは異なる日常風景かもしれませんが、「病院」という建物に入ったら、誰もが心がけないといけないことってありますよね。
長々と失礼しました。
ブログも楽しみに致しております。
>匿名さん
削除病院の中での行動は、どこか学校と似ていて「廊下を走ってはいけません」と言われたことを思い出します。あれは行儀が悪いなんて理由ではなく、死角から出てくる人とぶつかると危ないからということだったんだなぁ、と。そういう風な注意の仕方はされたことがなかったので、こういうことについては理屈も教えたほうが良いんじゃないかなと思いました。
また遊びに来てください!
ありがとうございます。
削除私は幼い頃、「走ってはいけない訳」を、おともだちがぶつかって怪我をしたら?という風に幼稚園に上がる頃に母に教えられました。
確かに何かをしてはいけないというより、そのことによってもたらされる危険を説明した方がいいですね。
またまたお邪魔しました。
>匿名さん
削除ちゃんと教えてくださる人がいらしたんですねぇ。なぜかそういうことを教えてもらった記憶がなく、もしかしたら覚えていないだけなのかもしれないし、どっちなのか自分でも自信がなくなってきましたw
体が不自由な生活を強いられて初めて病院に潜む危険性を実感してます。
返信削除特に車椅子や歩行器を使い慣れてないので上手く止まれない、上手く曲がれない・・・周りの音が拾えないから気づくのが遅れる・・・
そして意外と病院の廊下って人の行き来が多くてごちゃごちゃしてますね。何か不自由になってしまったら動くのが怖いです(~_~;)残りの病院生活があとわずかだと信じて気をつけて生活したいと思います。
>あー太
削除車イスって意外にすいすい進むんだよね、乗ってみないと分からないねあれは。そして、外来の患者や家族は、もう少し周囲の人たちに気を配るべき。よっぽどキツい場合にはそんなことできないだろうけど、せめて家族くらいは気をまわしてほしいよね。