2012年4月25日

「医者らしくない」とは?

平成23年4月末に、南三陸町へ医療派遣された時のこと。最終日の業務を終えて、岩手県でチームメンバーと飲んでいると、
「いちは先生は医者らしくない」
という話になった。良い意味なのか、それとも……、と思っていると、
「もちろん、良い意味で」
と言われホッとした。そこで、どういうところが医者らしくないのか聞いてみた。

派遣先での診察の時、
「うーん、なんだろ、分かんないなぁ」
と言いながら、患者の目の前で本を調べる。それで患者が不安になるかというとそうでもなく、こちらがニコニコしながら「分からない」とあっさり言うものだから、言われた方も「案外たいした病気じゃないのかな」という気になるらしい。それから、例えば小児の診察の時には、救急外来もこなしている看護師に、
「普段、この薬って子どもにはこれくらいの量で出すものですか?」
と聞いたり、腰や肩が痛いという高齢の患者には、
「今日は理学療法士の先生が来てるので、僕よりその先生のほうが分かるかな」
と言って大まかな診察や治療方針を理学療法士に任せたりした。分からない部分で見栄を張ったり背伸びをしたりせず、患者にも、周りのスタッフにも「分からない」と明言してしまうところが、(少なくとも彼らが知っている)医者のイメージとは違うらしい。
「だって分からないものは分からないですもん」
と苦笑いすると、
「そう言いきってしまうところが良いんですよ」
褒められているはずなのだが、それが良いのかどうか複雑な気持ちにはなった。

医局内で、俺が他科の先生と話す時には皆さん良い人そうに感じるのだが、他職種の人には結構みんな冷ややかだったり厳しかったりするみたいで、親しみやすさという点では非常に好印象を持ってもらったようだ。手前味噌になってしまうが、確かに親しみやすさにはそこそこ自信がある。とはいえ、医療派遣ではチームメンバーが非常に良かったというのもある。メンバー皆に助けられた感は大きい。

4 件のコメント:

  1. 褒め言葉、そのまま受け取るべきですよ!

    いつも “嘘のない自分” で人と向き合われていますよね。
    誰もが余裕のない中で、ひときわ爽やかさを振りまいて来られたのではないでしょうか。恐らく、ユーモアなども。
    いちはさん、現場のオアシスだったのかもしれませんよ^^

    ファミリー合流、楽しみですね♪

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    1. >こばねさん
      ユーモアに関しては、「もうちょっと腰を落ち着けなさい」と言われるくらいにやりすぎちゃっているかもしれません^_^;
      ファミリー合流、楽しみです!!

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  2. はじめまして。時々読ませていただいています。
    人間界で作られた「こだわり」が全ての職種や人生に「こうしなければいけない」と決め付けてしまうのですね。
    好かれたい・誉められたいという欲も、本来は無意味なことだと思います。
    ありのままの姿で、それだけで充分なのですよね。

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    1. >あこさん
      そうですねぇ。
      ありのままの姿、それが一番。皆もうちょっと気楽でいいと思います。

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