香川県は14日、県立中央病院(高松市)の医師2人が、エックス線写真などの確認を怠り、肺がんの発見が遅れて50歳代の女性患者が死亡したとして、遺族に慰謝料など5000万円を支払う、と発表した。ほとんどの手術で、術前に胸部レントゲンを撮る。でもそれは肺の病気を見つけるためではなく、大雑把な肺の様子、気道の偏位がないかを調べるためだ。手術に耐えうる呼吸器かどうかを確認する目的での撮影だから、そのレントゲンで肺がんを見つけろというのはちょっと酷だろう。
県によると、同病院は2008年2月に女性の腕の骨折手術を前に、胸部をエックス線撮影したが、整形外科医は画像を確認せずに治療。同年8月には、以前治療した子宮頸けいがんの経過観察でコンピューター断層撮影法(CT)の検査をしたものの、産婦人科医は検査報告書を見ずに放置していた。
女性は09年6月に肺がんと診断され、10年10月に死亡。遺族の問い合わせを受け、病院は、CT検査の報告書に「肺に異常陰影あり」との記載があり、エックス線写真にも左肺に直径2センチのがんが写っていたことを明らかにした。
エックス線撮影直後に治療を始めていれば5年生存率は30~40%上がっていたとみられ、松本祐蔵院長は「重大な医療事故で、女性と遺族に申し訳ない」と話した。
(2012年6月14日19時06分 読売新聞)
それに対して、産婦人科医はCTを撮って、報告書にもしっかりと異常陰影ありと書かれているのに、それを見ていなかったというのだから話にならない。自分の守備範囲である子宮や卵巣だけは実際に画像を見てチェックしたのだろう。そう信じたいところではある。でなければ、患者に余計な被曝をさせ、検査料を払わせ、無駄な医療費を使っただけじゃないか……。
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