2013年2月27日

聖の青春

聖の青春
将棋そのものより、棋士の生きざまや人間ドラマに興味がある。将棋自体はルールを知っていて、やれと言われたらやれる程度である。将棋好きな先輩に言わせると、「将棋はやるもんじゃない、指すもんだ。ちなみに、碁は打つもんだ」ということになるかもしれないが、俺の将棋は指すなんて高尚なものではないしなぁ……。

それはともかくとして、本書は村山聖という棋士がいたという話。あの羽生と五分五分以上に渡り合っていながら、29歳という若さで亡くなっている。子どもの頃から腎臓の病気と戦いながらの将棋だった。何度となく試合を病欠し、将棋の勉強をすることすらできないほどの状態を幾度も経験し、それでも持ち前のセンスとそれ以上の努力と集中力で高みに上った棋士だ。病気がなければ、きっともっと強かったかもしれないし、あるいは病気がなければ棋士などやっていないかもしれない。病気が村山聖を強くした、そういう面も少なからずあるのだろう。しかし、それにしても、哀しい。

挿し絵で将棋の盤面が数ヶ所だけ登場するが、たとえ将棋を知らなくても胸熱くして読める本。

<関連>
将棋の子

0 件のコメント:

コメントを投稿

コメントへの返信を一時中止しています。
一部エントリでコメント欄に素晴らしいご意見をいただいており、閲覧者の参考にもなると思われるため、コメント欄そのものは残しております。
また、いただいたコメントはすべて読んでおります。