2013年9月20日

天涯の砦

天涯の砦
やっぱり面白い小川一水。今のところ、SF作家の中で一番好き(と言っても、他の著者をそう多くは知らないけれど)。

SFというと食わず嫌いの人も多いかもしれない。実際に俺もそうだった。「えー、なんか幼稚」みたいな。アメリカのテレビドラマ『スタートレック』なんてダサい、そう思っていた時期もあった。でも『スタートレック』にしても、実際に観てみると奥が深くて、あれは未来を舞台にして宇宙人や未来装置などが出てくるけれども、あくまでも「人間ドラマ」であり、そこがとっても面白い。

SF小説も同じで、舞台、設定は未来でも、中で活躍する人間たちは、現代の自分たちと考え方や行動がそう違うわけではない。もちろん、未来にできた新しい法律などがあれば、それに則った思考・行動になっていくにしても、感情の動きは現代人のそれをトレースする。

本書は、宇宙で事故に遭った人たちの生き残りをかけた群像劇。視点が少しずつ変わるので最初は戸惑うかもしれないが、きちんと整理されているので混乱することはほとんどなく、すぐに慣れる。面白いのでお勧め。

蔵書決定。

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