2014年7月3日

テロを美化する人たち

伊勢谷友介という人のことはまったく知らないが、芸能人らしい。その伊勢谷が凄いことを言っているニュースがあった。

伊勢谷友介、抗議の焼身自殺未遂者への批判に怒り……「卑下することは許せない」

全文は最後に引用するとして、ポイントを抜き出す。
「命の使い方をどうするかは、意志のある人間が持てる大切な自由だ。それも社会の一大事に、命を賭して、その問題提起や変革のための切っ掛けを創るなら、なおのこと然りと言うべきだ」
中東の自爆テロや9.11の実行犯にだって、
「社会の一大事に、命を賭して、問題提起や変革のための切っ掛けを創る」
という気持ちがあっただろう。それを「然りと言うべきだ」と断言するこの伊勢谷という芸能人、大丈夫か? 確かに自殺未遂者を卑下するのは良くない。しかし、テロ行為を美化するのは、自殺未遂を卑下するのと同じくらい良くない。我々は、自殺未遂に対しては真摯に受け止めつつも、テロ行為に対しては断固としてノーと言うべきなのだ。

「大義のために命を賭す」
ちゃんちゃらおかしい言い分である。テロとは、実行犯の脳内でそうやって美化された暴力のことである。

伊勢谷友介、抗議の焼身自殺未遂者への批判に怒り……「卑下することは許せない」

6月29日に新宿駅南口の歩道橋で、50~60代と見られるスーツ姿の男性が拡声器で約1時間にわたる演説後に、ペットボトルに入っていた液体を自らの体にかけてライターで火を着け、焼身自殺を図った今回の事件。報道によれば、男性は集団自衛権の行使容認に抗議する演説を行っていたという。
伊勢谷はこの事件後にネット掲示板「2ちゃんねる」に匿名で投稿されていた内容がひどいものだったとし、「『名無し』の人間が、焼身自殺と言う命をかけた行動を、頭ごなしに迷惑だとか、狂人扱いし、卑下することは許せない」と怒り心頭。「命の使い方をどうするかは、意志のある人間が持てる大切な自由だ。それも社会の一大事に、命を賭して、その問題提起や変革のための切っ掛けを創るなら、なおのこと然りと言うべきだ」と持論を展開した。
今回の事件をめぐっては、北海道道議会議員の小野寺まさる氏がTwitter上で「これは公衆の場での迷惑極まりない行為であり、明らかに犯罪だ。又、死にきれずに多大な方々に迷惑をかけた愚行だ」などと発言し、物議をかもしている。
なお、伊勢谷は今回の自身の記事について、自殺未遂者のメッセージを称賛したり自殺を推奨するものではないとしている。
http://news.livedoor.com/article/detail/8996731/
言い訳がましい一文が気になる。焼身自殺を図った男性のメッセージは「集団的自衛権行使に反対」であり、それについて称賛しているわけではないが、行為そのものは「然り」と考えているのであれば、「テロ行為を美化している」と非難されても否定できなかろう。

3 件のコメント:

  1. >匿名2014年7月5日 9:04さん
    ありがとうございます。

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  2. 三島由紀夫も盾の会の若者に引き摺られるように、「大義ある死」をしたつもりだろうが、世の中そんなに甘くない。共鳴したのは、社会の一部だけで終わり。
    参考:https://www.youtube.com/watch?v=hLGMm6c_BCA&t=444s

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