2014年11月14日

抗てんかん薬エクセグランの処方意図が判明‏

ある女性が脳出血で他院に運ばれ、手術は受けず保存的に治療された。その後、リハビリ目的で当院内科に転院した。そして、その病棟でひどいせん妄があったため精神科に紹介されてきた。

処方を見ると、転院前の病院で抗てんかん薬のエクセグランが開始されていた。本人や家族、看護サマリなどを詳しく調べてみても、彼女にはてんかん発作の既往がなかった。エクセグランはせん妄などの精神症状を起こしやすい。そこで思いきってエクセグランを中止すると、速やかにせん妄が治まった。

てんかんではないのにエクセグランを処方されていたのかが疑問で、それはこのブログにも書いた。
抗てんかん薬を予防的に投与するのが正しいのかどうか

ちょっと前、薬の本を読んでいたらエクセグランの項目に、
脳保護作用は、脳外科手術後にも一般的に使用される程度に認知されつつある。
という記載を見つけた。なるほど、そういう理由だったのかと腑に落ちた。とはいえ、せん妄などの精神症状を起こすこともあるのだから、脳保護作用を期待する場合には少量から経過をみながら増量すべき薬だろうし、著しいせん妄を起こしながら飲み続けるほどのメリットはないように思える。

エクセグランの脳保護作用はわりと強力のようなので、せん妄その他の精神症状が起こらない限りにおいてメリットは大きそうだ。

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