2015年12月15日

バカバカしいものから、しんみりとするものまである梶尾真治の短編集 『恐竜ラウレンティスの幻視』

恐竜ラウレンティスの幻視 

8つの短編が収めてある。バカバカしいものから、しんみりとするものまである。梶尾真治といえばSFだが、本書にはまったくSFと関係のない話もいくつかある。

エマノン・シリーズをはじめとして、梶尾真治の本を数冊読んで思うのが、この作家は「人と人との出会いと別れ」を描くのが上手いということ。ありきたりな表現であるが、「切ない別れ」の演出が巧みなのだ。

本書で言えば、最後の短編『時尼(ジニイ)に関する覚え書』はSFと恋愛、ミステリのような謎が絶妙にブレンドされていて、非常に好きな作品だった。

0 件のコメント:

コメントを投稿

コメントへの返信を一時中止しています。
一部エントリでコメント欄に素晴らしいご意見をいただいており、閲覧者の参考にもなると思われるため、コメント欄そのものは残しております。
また、いただいたコメントはすべて読んでおります。