ぐいぐいとドラマチックに引っ張っていく展開の小説に慣れると、こういう淡々とした物語に、なんとなくもの足りなさを感じてしまう。それなのに、なぜか最後まで読み終えた。
登場人物は俺より一回りほど上の男性ばかりで、彼らの人生の一部を切り取って描いた短編集。生と死にからめて、少しだけファンタジックな要素の入ったものもある。おそらく若いころに読んでも、そんなに面白いとは思わなかっただろう。43歳になったいまだからこそ、なんとなく分かる感情、心情。そういうものが描かれていた。
小説の世界に、そっと手を引いて連れて行ってくれるような、そんな本だった。
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