2016年2月25日

代替医療やカルトではなく、病いと回復に関してバランス良く考察された良書 『笑いと治癒力』


「どの患者も自分の中に自分自身の医者を持っている。患者たちはその真実を知らずにわたしたちのところにやって来る。わたしたちがその各人の中に住んでいる医者を首尾よく働かせることができたら、めでたし、めでたしなんです」
プラシーボは、その各人の中に住んでいる医者なのだ。
これは、あの有名なシュバイツァー博士に著者がインタビューしたものの一部である。

タイトルからは代替医療とかカルト的なものとかを想像してしまうが、その中身は非常にバランスのとれた立場で現代医療を見つめて、長所と短所を描き出している。

著者は自分自身が難病にかかり、それを毎日の「笑い」と「ビタミンC」の点滴で克服した。とはいえ、著者はビタミンCの点滴が万病に効くとは考えていないし、もしかしたらプラセボだったのかもしれないという仮説も捨てない。だが、著者が本書で伝えたいことはそういう些末なことではない。もっと大枠で、人のこころと体について語っている。

本書を医療者が読むなら、自らの医療姿勢を見つめなおす啓蒙書になる。非医療者が読むなら、「自分の体の持ち主として、医療とどう付き合っていくのが良いか」を教えてくれる。いずれにしろ、非常に良書である。

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