2016年10月17日

超一流の神経内科医であり、一流の作家でもあるクローアンズ先生が実際に携わった医療裁判記録 『医者が裁かれるとき 神経内科医が語る医と法のドラマ』


『失語の国のオペラ歌手』で一読惚れした神経内科医ハロルド・クローアンズ先生。

今回も臨床医学エッセイだが、現場は主に診察室ではなく法廷である。超一流の神経内科医であるクローアンズ先生が、神経内科領域の「専門鑑定人」として携わったケースについて、独特のユーモアを交えつつ、分かりやすく教育的に、さらには先の展開を読ませず最後に謎解きしてみせるミステリの要素も含みながら描いてある。

クローアンズ先生はミステリ小説も書いており、その本はアメリカでは新聞でも「今月の一冊」として紹介されたらしい。そういうストーリー・テリングの手腕をもった医師による医療法廷ドラマであるから、面白くないわけがない。

本書で改めてクローアンズ先生に惚れ込んだので小説も購入した。
『インフォームド・コンセント―消えた同意書』

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