2017年9月21日

味も素っ気もないタイトルに惑わされるなかれ! ダイナミックに描かれる特殊班捜査に引き込まれる名著!! 『警視庁捜査一課特殊班』


タイトルがシンプルすぎて、あまり人目をひかない。面白いのかどうか不安だったが、読み始めると一気に引き込まれて、ページを繰る手が止まらなかった。

特殊班では、身代金目的の誘拐や企業恐喝などを対象に捜査する。殺人事件と異なるのは、殺人が基本的には「過去のこと」を調べていくのに対して、誘拐や恐喝は「現時点で動いている」事件への対応を求められるというところ。特に身代金目的の誘拐では、特殊班が対応を一つ間違えると、金は盗られ、犯人は逃げ、被害者が死亡するという最悪の事態になりかねない。それだけに、緊張感が尋常ではない。読んでいるほうもドキドキ、ピリピリしてしまうほどである。

多くの事件捜査を詳細かつダイナミックに描いてあり、とんでもない名著に出会えたことに感謝。ただし、のっけから子どもの身代金目的誘拐で、かつ被害者死亡という結末だったので暗澹たる気持ちにもなった。来年度から長女が小学生になるだけに、とても他人事とは思えなかった。

素晴らしい本なので、タイトルをもう少し人目を引くものに変えればいいのに……。なんだかもったいない。

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