2017年10月30日

戦時の軍医たちを描いた大作かつ名作 軍医たちの黙示録『蠅の帝国』『蛍の航跡』 


第二次大戦中に軍医として生きた人たち、つまり医師としての大先輩を描いた短編小説集。短編小説とはいえ、それぞれけっこうな分量があり、二冊含めるとかなりの大作だった。

戦時中の話なので、暗いストーリーや陰惨な描写はもちろんある。ただ、短編の中には、コミカルな展開、ユーモラスなエピソード、目頭が熱くなるような人間模様を描いたものも含まれている。

いずれも、著者が膨大な資料を読み込んで小説化したものである。当時の先輩、先生たちが、どのような医療をされていたのかを知るうえでも、大変勉強になった。

医師なら一生のうち一度は読んでおくべき本だろう。

0 件のコメント:

コメントを投稿

コメントへの返信を一時中止しています。
一部エントリでコメント欄に素晴らしいご意見をいただいており、閲覧者の参考にもなると思われるため、コメント欄そのものは残しております。
また、いただいたコメントはすべて読んでおります。