2018年1月15日

疫学をテーマにした感染症パニック小説 『エピデミック』


疫学をテーマにした小説である。登場人物の中に疫学について知らない人がいて「やくがく?」と尋ねていたのが面白かった。もしかすると同じような間違いをする人がいるかもしれないので一応書いておく。これは「えきがく」と読む。

関東のある県で発生した致死率の高い非定型肺炎をめぐって、疫学チームが感染の「元栓」を締めるための調査に奔走する。ミステリ、サスペンスのような要素も入っており、ストーリーは飽きさせない。極端すぎるキャラづけをされた登場人物はおらず、多少のエキセントリックさはあっても、どこにでもいそうな人たちばかりだ。そして、そんな彼らが感染症パニックに対して右往左往する姿は非常にリアルである。

アタリ小説だったが、平成29年12月時点で書籍は絶版、kindle化もされていないようでもったいない。

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