2018年3月6日

メリットのメリットを伝えよ! 『アイデアのちから』

「メリットのメリットを伝えよ」

広告業界にはこんな言葉があるそうだ。

例えば、消費者は「直径6ミリの電動ドリルを欲しい」わけではなく、「子どもの写真を壁に飾るための直径6ミリの穴が欲しい」のだ。あるいは、「世界一の芝の種が欲しい」わけではなく、「きれいな芝生の庭が欲しい」のだ。

精神科でも同様のことが言える。初心者や詳しくない人は、幻聴を消せば良い、意欲を改善させれば解決だろう、といったふうに「症状をなくす」ことに目を向けがちだ。しかし、多くの患者が求めているのは症状を消すことではなく、「健やかに生活できること」である。そこを主眼にすると、違ったものが見えてくる。

そしてこれは精神科だけでなく、例えば身体リハビリなどでも有用な視点だ。「手が動くようになったら良いと思いませんか」ではなく、「昔のように料理ができるようになりませんか」といった言葉のほうが、リハビリ患者に意欲や未来図を持たせられるはずだ。


上記は本書の一部から広げた考え。精神科分野に限らず、ヒント満載の良書である。

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