2019年10月29日

怖さはアップしたものの…… 『奇奇奇譚編集部 幽霊取材は命がけ』


第1作目に比べると、怖さはアップしたように感じる。しかし、全体的には文章がブツ切りになっているところが多々あり、読書のリズムを削いでしまっている。一例をあげると、
そう、これが彼の仕事のひとつなんだ。ぼくを。とことんまで。怖い目にあわせるのが。
この小説は主人公の一人称視点であるため、彼の思考をそのまま文字にしたとすればこうなるのかもしれない。しかし、「人の心の中身を文字で読むこと」と、「人の心の中身を描いた小説を読む」のとでは違うはずだ。そして、一般的に、読書する人は後者のつもりで本を読んでいるのではなかろうか。

このプツリ、プツリと途切れる文章で読むリズムが削がれてしまい、内容は面白いのに入り込むことができなくて残念だった。完結編である第3作目に期待する。

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